昨年、皆様のご支援で再生した石巻の「渡波(わたのは)ガーデン」は、全壊指定を受けた家屋や塩害で枯れた木々(白樺も全滅でした)の撤去作業で見るも無惨な姿となり、私ども夫婦は、大津波の被害に続いて2度目のショックに襲われました。せっかく近隣の被災地の人々を励ましてくれた植物たちがあまりに可哀想で、メドウガーデンの種を穫り、昨秋、妻の友人たちにも手伝ってもらってクリニックの前庭にまいたものが、今春、見事に花を咲かせてくれました。
そもその私のクリニックがある富谷町は仙台市北部に隣接する農村地帯でしたが、昨年のトヨタ自動車工場の企業誘致と、沿岸地域で被災した方たちの移住で新興住宅地の人口が急増して(日本一の人口増加率とのこと)再来年には市制に移行することが決まりました。皮肉なことにクリニックの診療は多忙を極めることになり、クリニックに富谷町の福祉施設(病気になった子供を一時的に預かる病児・病後児保育室)も併設されることになりました。
クリニック前の幹線道路を行き来する被災地の人々、被災地から訪れる患者さんや病気の子供達の心を「渡波ガーデン」の花たちがまた和ませてくれることを願って、このような形で庭の一部を再生させていただいた次第です。ちょうど、クリニックのHPがリニューアルされる時期にあたり、このささやかなメドウガーデンの由来と、被災者支援という3.11ガーデンチャリティ(BISES)の方針の延長であることを報告させていただくことにしました。どうぞご覧になってください。