東日本大震災から10年
2021年03月11日
「3.11ガーデンチャリティ」のポスター。
デザイン:長友啓典(K2) 写真:Andrew Lawson
2011年3月11日の東日本大震災勃発から10年がたちます。
編集部では3月30日に「3.11ガーデンチャリティ」を設立し、全国のオープンガーデングループ約50団体に直接呼びかけて、支援金を募りました。設立者は内倉真裕美さん、辻本智子さん、そしてビズ編集長の八木波奈子。5月にはBISES誌上で全国の読者の皆様にもお知らせして、大々的なチャリティ活動へと広がりを見せ、支援金は3年で約1千万円になりました。その他、ガーデン資材の提供もたくさんありました。花緑に覆われた希望の大地を作ろうと、数多くのガーデンボランティアも集まってくれました。

BISES誌面には「希望の種をまこう」の言葉のもと、被災地に津波で失われた樹木を贈り、原風景を取り戻そうと、チャリティの目的を掲げました。花の力、緑の力でできる復興支援。当時、私たちの活動は、被災直後の荒れ果てた土地で、ガーデンや広大なメドウを作って、花の命を大地に吹き込むことでした。しかし、どの支援地もいずれ、かさ上げされ、巨大なコンクリートの防潮堤が建設されることを理解しての活動でした。被災された方々からの希望は、「美しかった故郷の平和な花風景を記憶にとどめたい」との希望に応えたものでした。

震災後10年のその日が近づくにつれ、日々テレビに映し出される石巻、陸前高田市の現在の映像には胸がつまります。広くむき出しの土地には、人の気配が少なく、”花緑に安らぐ原風景”とは程遠く…。再び、花や緑を育む人々の暮らしが戻る日が、遠からずやってくることを祈ります。
2011年5月頃の岩手県・陸前高田①
2011年5月頃の岩手県・陸前高田②
同じ場所。陸前高田2500坪が8か月で大メドウに変わる。
この地でオープンガーデンを続けていた吉田正子さん。
写真:植原直樹
ボランティア2000人の協力を得て、やすらぎの大地が出現。
メドウ制作&ボランティア指導:二宮孝嗣
BISES 2011年冬号(No.75)。表紙には“最新情報 ロンドン五輪の会場は花、花、花。
英国に広まる「花咲く野原」旋風”———の文字が見える。
編集部では被災地に大メドウを作ることを計画していたので、
事前に英国のメドウ情報を記事にした。
英国には、メドウ研究歴10年のナイジェル・ダネット教授が存在することを伝えている。
写真:Jane Sebire
2012年開催のロンドン五輪の選手村にもメドウ。
写真:Andrew Lawson
「震災と未来」展 ———東日本大震災10年———
2021年3月6日から3月28日まで
日本科学未来館<東京・お台場>

主催:NHK、日本科学未来館
お問い合わせ:03-5777-8600
https://www.nhk.or.jp/event/art2020/
「震災と未来」展
全国の建築学生がが協力して被災前の街を模型に。
この模型は、宮城県南三陸町・志津川の「記憶の街」。
模型の説明パネル。
避難所の様子が再現されて展示。
支援コーナーには羽生結弦選手の「SEIMEI」「花は咲く」の衣装展示も。
NHKの復興支援ソング「花は咲く」を歌い継ぐビデオも流れている。
その他の活動プロジェクト