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第15話 「10冊のドラマ」

2003年05月25日

こんなに間があくなんて、何ということでしょう。14話を書いたのが2001年の秋でした。あれからBISESはもう10冊も出ていて、この10冊をざっとたどるだけで、結構なドラマが出来上がってしまうところが雑誌作りのすごいところです。

始めるときはあんなにドキドキして、それでも持ち前の度胸でどうにか完結編を迎えられた「チャールズ皇太子の庭」の7回シリーズ。大変な大仕事だったけれど、今ではもう1世紀も昔のできごとのように感じるところが、自分でもちょっとコワイ。考えてみれば、チャレンジがあるからドラマが生まれるわけで、昨年の盛夏号(19号)に掲載した「ビズ10年のヒストリー」は読者の皆様からも、おもしろかった!と好評でした。(この号、ほとんど売り切れ状態で、まだお読みいただいてない方は、ビズのホームページに全文ありますからどうぞ。)

この19号からビズの版元がベネッセコーポレーションに変わりました。編集部の場所も、編集スタッフも、もちろん編集内容もそのままで、雑誌がお引っ越しいたしました。(定期購読をしてくださっていた大切な読者の方々に、直接ご連絡するすべが無く、胸の痛む思いでした。ごめんなさい)誌面では20,21 号と2号連続でバリ島ロケ、西城秀樹さんのバリの別荘を取材した直後にバリ島テロ。ビズのバリ島ツアーも急きょ取り止め、旅行業界受難のときでした。この号で「チャールズ皇太子の庭」の連載は完結、大人気のシリーズだったのです。連載中に“お引っ越し”なんて、珍事ですよね。

22号でビズ初のドイツ取材。ドイツ取材のきっかけは「ドイツ人は自分が飲まなくても、花には水をやる庭好きなのだ」と言い放ったベンツ社の社員の一言でした。それにしても、ベンツ本社の聞きしに勝る迫力、世界のトップ企業の存在感というものを初めて体験しました。とにかくカッコよかったです。ところで、ターシャ・テューダーの表紙の23号では、ビズの読者の人たちとターシャファンが重なっていることを改めて確認。でも、”このおばあさん、だあれ?” の質問もけっこうありました。「ビズってほとんどの人が知らないことを、とっても有名って特集にする」とのたまった某有名新聞の(これは本当に有名)記者がいましたっけ・・・。

そして、今発売中のバラ特集、うれしいことに品切れ店続出!!

ほっ、やっと現在までたどりつきました。これからもよろしく。

執筆者プロフィール

ガーデニング誌『BISES』の元編集長。創刊から休刊までの146冊、25年間務めました。1997年流行語大賞トップ10に選ばれた「ガーデニング」は、私が全国に広めた言葉です。これはGARDENINGをカタカナにしたもので、造語ではありません。今では日本語として立派に定着しましたね。