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100年を経て変わらぬ自然の力

2011年01月13日

少しドキドキしながらビズ70号(早春)の発売日を待っています。何故かと言うと、巻頭に据えた特集が「ヘッジロウ」とよばれる生け垣についてだからです。英国通ならご存知でしょうが、多分、知らない人の方が多いのではないでしょうか。ここはもう、ビズを信じて読んでいただくしかないかな?

13カ国語に翻訳され、何と2800万部を売った驚異の絵本『エドワード朝の淑女のカントリー・ダイアリー』が描く世界が、まさにこのヘッジロウなのです。特集でたっぷりとご紹介しています。この本の著者イーディス・ホールデンが自然に向けた観察のまなざしは優しさに満ち、その絵と言葉による表現は、慈雨のごとく現代に生きる私たちの心を潤してくれます。今号の特集を構成するに当たり英国の写真家アンドリュー・ローソンに相談したところ、「この企画は英国の田園を表現する真髄ともいえる内容。ヘッジロウは私の心の真中にある」との返事が編集部に届きました。

まさに Heart of England, 19世紀に生まれた著者と現代のガーデンフォトグラファーの感性がぴたりと重なった瞬間でした。

ヘッジロウはコッツウォルズなどの田園地帯をうねうねと縫うように走る生け垣のことで、家畜を囲う目的と敷地の境界線を示すために設置されたもの。ここでは数多くの植物が繁茂し、小鳥や虫、小動物の命を育んでいます。イングリッシュガーデンの原点として記事にまとめました。ぜひご覧いただき、ご意見ご感想を編集部までお寄せください。

執筆者プロフィール

ガーデニング誌『BISES』の元編集長。創刊から休刊までの146冊、25年間務めました。1997年流行語大賞トップ10に選ばれた「ガーデニング」は、私が全国に広めた言葉です。これはGARDENINGをカタカナにしたもので、造語ではありません。今では日本語として立派に定着しましたね。